日本は「国民皆保険」という制度があり、働いていようが働いてまいが何かしらの健康保険に加入しなければなりません。
通常であれば、国民健康保険(以下:国保)か会社の社会保険としての健康保険(以下:社保)に加入しているはずです。
僕も国保に加入していた時に、就職して会社の社保に加入することになり、国保を脱退する手続きが必要になった経験があります。
最終的には無事に解決したのですが、色々手続き前に区役所に聞いた話と現場での話に相違があったり、切り替えのための届け出期限を過ぎてしまったりバタバタしました。
というわけでこの記事では、自分の実体験をベースに、
- 国保を脱退し社保へ切り替える時の手順や必要書類はなにか?
- 切り替え期限を過ぎてしまった場合はどうなるのか?
について、ご紹介したいと思います。
国民健康保険の脱退手続きの方法・手順
国保の脱退手続きは自分が住んでいる街の役所に行って手続きを行います。(脱退の手続きは、正式には喪失届の手続きです。)
順番としては下記のようになります。
- 就業先の社会保険に加入手続きをする
- 健康保険等資格取得証明書をもらう or 新しく保険証が来るのを待つ
- 役所に必要なものを持参して国保の脱退手続き
脱退するためには、必ず就業先の社会保険に加入している必要があり、「国保以外どの健康保険にも加入していないのに脱退」は出来ません。
必ず、就業先の会社の健康保険に加入してから、脱退手続きです。
また、手続きには必要な物もあるため、忘れずに持参しないといけません。
必要物を持参し、役所の窓口で脱退したい旨を告げれば、後は担当の方が説明しながら手順を説明してくれます。
郵送での手続き方法もありますが、ここでは触れていません
脱退手続きの届け出期限
まずそもそもの話ですが、国保の脱退は、社保に加入した日から14日以内に届けることを原則としています。
とは言え、届けなかったからと言って、なにか罰則を受けるものではありませんが。
ですが、届け出ないとしばらくは国保と社保の二重支払いが発生することがあります。
また、それでも数ヶ月ほっておくと、最終的に役所の方から「社保に加入してるんじゃない?加入してるなら国保は脱退手続きしてよ~」といった書類が届いたりします。
これは後で体験談としてご紹介します。
さらには、社保に加入しているのに国保を使って医療機関に係った場合には、医療費の返還を求められ、一度支払わないといけません。(一旦10割負担で支払い)
その後、10割で支払った医療費の返還を自分が求める場合には、社保の保険証を使って申請をする、といった面倒なことになるので、切替途中には使わないことが賢明です。
脱退手続きに必要な書類やモノ
脱退の手続きに必要とされているものは以下です。
- 新しく加入した社保の保険証(加入者全員分)、または、健康保険等資格取得証明書(会社や健康保険組合が発行します)
- 加入していた国民健康保険証(加入者全員分)
- 本人確認証(免許証など)
- マイナンバーが分かるもの(マイナンバーカードなら本人確認証としても利用可)
- 印鑑(自署の場合は不要)
と記載しておきながら、僕が実際手続きを行った2018年8月時点では、本人確認証もマイナンバーも印鑑も不要でした。
それまで使っていた国保と新しく加入した社保の保険証を持っていき、あとは役所にある書類を書けば処理完了となりました。
とは言え、これは一つの例として聞き流しておいてもらって、ないとダメ!と言われることは往々にしてあると思うので、言われたら二度手間になるので事前に準備出来るものは持参した方が良いと思います。
世帯主以外(代理人)が届け出ることも可能
就職した場合、平日の昼間は働いていることも多いでしょう。
なので、平日日中に役所に届け出ることが難しいこともあります。
僕は実際届け出が難しく、かといって妻に頼むわけでもなかったので届け出が遅くなったのですが…
そんな時は、代理人として手続きするということで届け出が可能です。
その際必要な書類は委任状。
委任状には決まった様式はないものの、委任する旨や日付や世帯主の氏名や押印、代理人の…と色々書かないといけません。
なので、「〇〇市 委任状」と検索すれば、大体自分の街の役所のホームページでフォーマットが用意されているので、それを使うと楽ちんです。
僕の住んでいる大阪市の参考ページは下記です。
国保と社保の二重払いをしていた場合は、保険料が還付される
これは自分の実体験ですが、社保加入後の国保の脱退手続きが遅れたせいで、数ヶ月間社会保険の保険料と国民健康保険料が、二重で引き落とされていました。
引き落とされていても、とりあえず脱退手続きをすれば還付されることは分かっていたので、特別焦ることはありませんでしたが。
言い訳じみてますが、平日に行くのが難しかった。
小さい子供がいるため、妻も行くのが難しかった
ということから、届け出が遅くなってしまいました。
脱退が遅れたからと言って、支払いすぎた保険料は泣き寝入りしなきゃいけないということにはならないので、その点は安心して大丈夫です。
ちゃんと手続きをすれば、払い過ぎた保険料は還付されます。
国保の脱退手続きを14日以内にせずに放置していた場合にどうなったか?
あまり推奨するものではありませんが…これも僕の体験談です。
過去、国保に加入している時に就職し、就業先の社会保険に加入したにも関わらず、国保の脱退手続きが出来ていないことがありました。
原則的に社保加入から14日以内に届け出が必要と定められているところ、結局、約4ヶ月後の喪失届け提出となりました。
その間に何もなかったかというとそうではなく、「国民健康保険資格の確認について」という書類が送られてきました。
国民健康保険資格の確認についてという書類が送られてくる
▲「国民健康保険資格の確認について」という書類。
見てもらえれば分かりますが、「他の健康保険に加入していると思われるけどどうなの?」という書類が送られてきました。
氏名も記載されています。(上記画像ではモザイク処理してますが、僕と妻の名前が載っていました)
内容としては、社保に入ってるなら、脱退(資格喪失届)を返送してねって書かれてました。
この書類を返送する場合は、
- 国民健康保険証
- 社保の保険証のコピー
- マイナンバーが確認できるもののコピー
- 世帯主の本人確認証のコピー
といった書類一式が必要になるとのこと。
脱退の手続きを放置していても、こういった書類で催促が来るほどだったので安心でした。
役所の窓口での手続きに比べて、コピーが何枚か必要になるというぐらいで、この郵送で終わらせることも可能です。
どれぐらい放置して書類が届いたのか?
「国民健康保険資格の確認について」という書類はいつ届いたのかというと、社保に加入したのが4月で、その4ヶ月後の8月に届きました。
ちょうど4月・5月あたりは国民健康保険の計算月に該当するため、通常より遅くなったのかもしれませんし、大体4ヶ月程度かかるのが一般的なのかもしれません。
その間の6月・7月・8月分は就業先の給料から社保の保険料が天引きされ、国保の保険料も自分の登録口座から引き落とされ、二重で保険料がかかっていました。
もちろんこの3ヶ月の二重で支払っている国保の保険料は、脱退手続きを行った後、還付されます。
実際に脱退(喪失届)の手続きを行った手順
長々と解説してきましたが、ここからは実際に僕が役所に行って手続きを行ったことのレポートです。
時間がある方だけ読み進めてもらえれば。
役所からの誤案内があったため、イレギュラーな手続きになりました。
僕が住んでいる大阪市淀川区の内容であり、別の自治体では対応が異なる恐れがあるので、手続きをする際は必ず自身の街の役所に確認の上、行うことをおすすめします。
手続きの前に区役所に電話で問い合わせる
国保から社保への切り替え手続きを行おうと思い立った日、大阪市のHPをチェックすると、持参物に社保の保険証は全員分必要なのか明記されていませんでした。
念のため持っていけばよかったのですが、ちょうど子供が昼寝タイムであまり物音を出すことが出来なかったため、必要かどうかを電話で問い合わせることにしました。
と質問すると、電話に出られた方から「世帯主の方だけ持参いただければ大丈夫です」との回答。
じゃあ、子供が寝てるところをガサガサとあさらなくて済む、と持参せずに区役所へ向かいました。
全員分の社保の保険証がないと手続き出来ないと言われる
区役所の国民健康保険の手続きを行う窓口まで行き、番号札を取って順番を待ちます。
番号が呼ばれ「社会保険に加入したので国保の脱退手続きをしたい」旨を伝えました。
すると、開口一番こんなやりとりに。
電話で問い合わせたら世帯主だけの分でOKと言われたので。
という一連のやり取りになりました。
そして僕の国保の保険証を持ってなにやら色々と話し込んでる様子。
数分後戻ってきて言われたのはこれ。
ちょっと二度手間になって申し訳ないんですけど、社会保険の保険証は全員分のコピーがいるんです。
とのこと。
もうこういう状況だとワーワー言っても仕方がないので、素直にここでは諦めることに。
結局役所での手続きは出来ず、妻と子供の保険証のコピーを取って、それを封筒に入れて、自分でノリ付けしてポストに投函してやって手続き完了です。
切手は不要タイプの封筒を出してくれたのがせめてもの救いです。w
これが幸いしたのかどうかは不明ですが、この間免許証もマイナンバーについても特に確認されることなく済みました。
2週間後、変更決定通知書が到着
ポストに投函してから約2週間後、区役所から国民健康保険決定(変更)通知書なる郵便が届きました。
これがいわゆる、ちゃんと脱退が受理されてることが分かる書類でもあります。
▼変更決定通知書
▼国民健康保険料過誤納金還付通知書
こちらの書類も一緒に同封されていました。
いわば、払い過ぎた国保料を返還してもらえる金額が記載されている書類です。
用紙の上側が通知書で、下側が還付請求書です。
▼還付請求書 兼 口座振替申出書
僕の場合、6月・7月・8月分が支払い過ぎていたことになっていたので、その分を返還します、とちゃんと計算してくれていました。
後は、振込先の口座情報等を記入して、一緒に入っていた封筒に入れて返送すれば、ちゃんと払い過ぎた国保料は返ってきますよ!
国保から社保への切替は自分で手続きする必要あり!/ まとめ
自分が国民健康保険から社会保険に切り替わった際の手続きについて、実際に調べたこと、経験したことをまとめました。
再度簡潔に手続きの手順をまとめておくと、
- 就業先の社保に加入
- 健康保険等資格取得証明書をもらう or 新しく保険証が来るのを待つ
- 役所に必要なものを持参して国保の脱退手続き(喪失届の提出)
です。
切り替わる人もそうでない人も、知識として持っておくとなにかとスムーズなので、覚えておいて損はありませんよ!
僕のように手続きが遅くなったり二重支払いにならないように、ぜひ参考にしてください。
すみません。
社会保険に加入したので、国民健康保険を脱退したいのですが、社保の保険証は世帯主だけで良いんですか?
それとも加入者全員分必要ですか?