なぜかは分からないけど、僕は小さい頃の記憶がほとんどない。
「記憶がない」と書くと病気みたいに思われますね。ではなくて、ただ単に覚えていないだけです。
例えば、小さい頃に赤目四十八滝という場所に家族旅行に行きました。まずこの行った記憶さえほとんどありません。
さらに、そこで僕の兄が誤って滝に落ちてしまいあわや大惨事となりそうなところを、通りすがりの人に助けてもらい難を逃れました。
旅行に行ったことさえ覚えていないんだから、兄が滝に落ちて色々と騒いだことなども覚えているはずがありません。
笑い話として家族でよく昔の話をするからそんなことがあったと記憶しているだけ。
小学校の運動会も中学の修学旅行も高校の部活動でさえ、断片的には思い出せるものの言われなければ忘れてしまっていることだらけです。
大学時代でも大人になっても同じ。覚えてないことばかりなわけです。(もう一度言いますが病気などではない)
それぐらい子供の頃から大人になってまでも過去の記憶が曖昧な僕なのですが、実は今思い返しても鮮明に思い出せる出来事が1つあります。
と言っても、それからまだ10年ぐらいしか経ってないことなんですが…
それは母親が言った一言。
これだけはどうしても忘れられない僕の記憶の中に刷り込まれています。
母親からの一言
僕が高校生の頃、突然父親が会社を辞めると言い出しました。
実はその頃のこともあんまり覚えていないのですが、住んでいた家も引っ越さないといけなくなったりで結構大変だったみたいです。
僕が覚えていることは、引っ越す場所によっては高校を転校しないといけないかも?のような話しに発展しかけたので、当時付き合っていた彼女と「淋しくなるね」って話していたら、まさかの引っ越す前よりも学校に近い場所に引っ越すことが決まり、「あの転校するかもって言ってた話しはどこへやら?」という恥ずかしいような嬉しいような気持ちになったことぐらい。
今の父親はホント穏やかな人になったのですが、昔は今とは似ても似つかない亭主関白っぽいところがあり、家事なんて全くしてなかったんじゃないかという記憶しか僕にはありません。
仕事はかなり優秀に出来た方だったようですが、バブル時代の営業マンだったので色々大変なこともあったんでしょう。
とは言っても、その当時僕が持ってた父親へのイメージは自由に行動していたのかなぁ~なんて思ってたわけです。
その辺のこと(親父って実は全然家のことやってなかったんじゃない?みたいなこと)を軽く笑い話として話すたびに、母親には良く怒られました。
と。
確かに家から歩いて10分ぐらいの川に行って、魚を捕まえたりカメまで捕まえて家の庭に池を作って飼ったりしていたので、僕が忘れていたるだけなんでしょう。
ただその当時から抱いていた僕の親父へのイメージは、「頼りになるけど頑固で、母親を頼りにするよりかは全部自分で決めて、一人で進めていく父親」といったイメージが少なからずありました。
そんなイメージもありながら、とある日に母親と話していた時に僕はふと言いました。
まぁ親父ってほんま自由奔放にやってきたよな~
会社辞めたりもしたし。
そんな好き勝手に自由にやってて、おかんは何も言わへんかったん?
会社辞めんといて~とか、イヤとか言ったりしーひんかったん?
ただ何の気なしに聞いただけです。
すると、ものすごい返事が返ってきました。
いやーよく言うわね。
仕事を辞めるまでにも、お父さんがあなたたちを育てるためにどれだけ一生懸命働いてきたと思ってるのよ。
休みの日があってもどっかに連れてってってすぐ言うから毎回のように連れて行ってくれてゆっくりも出来なかったのに、どの口がそんなことを言ってるのよ~
自由にやってたって、色々してもらってることをあなたが忘れてるだけよ~
感謝してもそんなことを言うなんて~
とさらりと言ってました。
※注)もちろん笑いながらの話しです。
ある人にとってはなんてことのない他愛もない親子の会話。
でも僕にとっては忘れられない印象的な言葉でした。
忘れっぽいはずなのに母親のこの言葉を今忘れません。そしてこれからも忘れることはないでしょう。
さらに自分自身が結婚した今、夫婦の在り方の一つをこの言葉から学ぶことが出来ます。
母親の言葉から気付けること
グチを聞いたことがない
僕の友人・知人には結婚してる人がたくさんいますが、話すと良く旦那さんや奥さんのグチを聞くことがあります。
割とガチな感じで。
で、自分の幼少時代からを思い返してみると(ほとんど覚えてないけどw)、母親から親父のグチを言っていることを聞いたことがありません。
そして母親が友人などにそんなグチを言ってしまう人か?と考えてみると、そんな気も全くしません。
しかも別にグチを言いたいけど耐えている、という風でもない。
もちろん父親からもそんなグチは聞いたことがありませんが。
良くありますよね。子供+母 VS 父一人みたいな構図。その逆もしかりですが。
親同士のあれがイヤだこれがイヤだを聞かされる子供のことを考えると…ちょっとおかしな気持ちになりますよね。
「パパは家なんかにいなくても、働いて家にお金をいれてくれさえすればいいのよ~」なんて、子供に言っている母親はアカンでしょう。
もちろん逆も同じです。
親夫婦が仲良くいられてるのを見ることが出来る子供は絶対幸せだと思うし、自分が子供を育てていく時には気を付けたいことでもあります。
信頼、信頼、とにかく絶大なる信頼を寄せている
悪い意味の亭主関白は、ホントは違うと思っているけど夫が言うことに従わないといけない、夫の言うことが絶対みたいなものでしょうか。
もはやそんな時代は終わってますが。
全くそれとは真逆で、自分の母親を見てると「お父さんだったらなんでも解決してくれると思っている、それでだめだったら仕方ない。だから任せるだけで安心できる」と本気で思っているんじゃないかと。
そこにあるのは全幅の信頼です。
子供である僕が迷った時、どうしようか迷っていることがあって母親に話した時、「お母さんはこう思うよ」と言った後、決まっていつも「お父さんにも話してみなさい」と良く言われたものでした。
恐らく絶大な信頼を寄せているんでしょう。
すでに父親は70歳になるにも関わらず、今でもパソコンはバリバリに扱えるしヤフオクでも出品も落札も余裕でこなすし、最近では独自ドメインでブログを開設する!なんて言ってるスーパーおじいちゃんですからね。
確かに信頼をおけるのもうなずけます。
母親は良く言って天然でかわいらしい人で、でもどこか危なっかしいので、父親みたいな存在がいると安心するんでしょう。
かわいらしいですね。
子供に対してもさらりと夫を立てられるなんて素晴らしい
僕のつたない説明なんかより、ツイッターで最近仲良くしてくれているまもるさん(@IkkaDanran922)が書かれているブログ記事の方が簡潔で分かりやすいので引用させていただきます。
今は確かに女が家を守って男が働きに出るような時代ではないけど、考えが大人で、男をその気にさせるのがうまい女性と、思惑通りにその気になって家族のために頑張れる男性という構図はとても自然で、美しいのです。お互いが気持ちよく、全く嫌味がない。
一家だんらん / 「うちの家族は最高だ!」まずは私の家族の自慢から始めよう からお借りしました
ごもっともな意見です。
上記とは少し場面は違えど、さらりと父親がすごいことを言ってのけて、それを子供に対して言えてるところが素晴らしいでしょう。
天然でお茶目でどこか抜けていて、それでいて話し好きのかわいい人です。ウチの母親は。
ちなみに、子供をあやすのが神業のように一級品の腕を持っている人でもあります。笑
母親の言葉から学んだこと / まとめ
実は先程紹介したまもるさん(@IkkaDanran922)が書いた記事(⇒一家だんらん / 「うちの家族は最高だ!」まずは私の家族の自慢から始めよう)を読んで思わず、母親のこの言葉を思い出して呟いてしまいました。
母が子供に父の偉大さを自然と語れる姿は本当に素晴らしい!
自慢どころか素敵家族すぎる!!!
そしてトップ画像は海外ですよね?笑
「うちの家族は最高だ!」まずは私の家族の自慢から始めよう https://t.co/2Kd7723Ybm @IkkaDanran922さんから— Non太 (@lovewifelives) 2016年10月3日
と思ったら、ついついこの記事を書いてしまいました。w
結婚生活が50年60年ともなると、それなりに色々な出来事があっただろうし、両親の間には子供の僕では到底気付けなかったこともたくさんあったと思います。
でも今の二人を見ていると、楽しく毎日を過ごせているんだろうなぁと思えるわけで、自分たちも子供が育っていって子育てが一段落した頃にはそんな風に思える関係でいられるようにしていきたいなと。
やっぱり最終的にいきつくところは、なにがあっても夫婦同士の思いやりなんでしょうね。
この記事はものすごく長いですが、ぜひ読んでほしいです!
あんた何言ってんの~。
週末はあんたとか連れて川に魚釣りに行ったり、毎週のようにどこかに連れて行ってもらってたやないの~