もう何年も前の話しですが、僕はワーキングホリデービザを使ってオーストラリアに1年滞在していました。
日本人が多いと言っても、出会う人は外国の人の方が多いので、アジアの国を始め世界各国の人たちと知り合うことが出来ました。
そんな中でも一番の友人になったのが台湾人のマイクです。
英語はそこまで流暢とは言わないまでもガンガン話すし、とても気さくで優しくて誰からも好かれる、そういう雰囲気を持っている人でした。
僕がオーストラリアのケアンズにあるイニスフェル(Innisfail)という街のバナナファームで働いている時に出会ったのですが、年齢も同い年でお互いに気が合い、とっても仲良くなりました。
この記事は、ワーホリでオーストラリア滞在中に一番仲良くなった友達だったけど、そんな彼(とその友達)に3,000ドルもの大金を貸してあげたという話です。
と言っても、貸したことでトラブったとかではなく、最終的に3年後に返ってきたという内容です。
ワーホリという期間は1年ですが、そんな短期間でも心からの親友が世界に出来る!(かもしれないよ)って伝えたくて、この話しをしようと思いました。
ワーホリに行こうかなぁなんて漠然と考えている人はもちろん、全く興味ない人も、言葉が全て通じなくても心のコミュニケーションは取れるってことが伝われば嬉しいです。
マイクとの思い出を少々
とりあえずどうでもいい人にお金を貸したわけじゃないので、とりあえずこれぐらい濃い関係だったということで、僕とマイクとの思い出を少しご紹介します。
写真右に映っている彼がマイク。見て分る通り、タトゥーだらけの男です。
海外ではタトゥーが入ってようが金髪だろうが、僕みたいにロン毛だろうが全く偏見とかないので楽ですね。
バナナファームで滞在していた時は、毎週金曜日はビールを箱買いして、みんなで飲み会ばっかりやってました。
▼みんなでスカイダイビングを経験した後の一コマ
▼現地で一緒に働いていたオージーも誘って飲んだ時
▼大勢でバーベキューに出掛けたり
▼バナナファームでも一緒の場所で働いてたり
他にも写真は無数にありますが、これぐらいにしておきます。
とにかく同じ宿で寝食を共にして、同じバナナファームで働き、週末は同じ場所に遊びに出掛ける。
もう家族のように、それはそれは色濃い時間を過ごしたんです。
学校に戻るためにメルボルンに旅立つ僕
このバナナファームにはお金を一時的に稼ぐために来ていました。
働きながらも遊びまくってましたが、バナナファームで半年近く働いて約8,000ドルぐらいは貯まったと思います。
実はここに来る前、3ヶ月契約していた語学学校を2ヶ月通った後に休学していたため、お金も貯まったし復学しようとメルボルンへ移動することにしました。
僕はサーファーズパラダイス校で入学し、メルボルン校で復学をしたわけです。
▼ケアンズの街でマイクたちと最後に一緒に撮った写真
こんな風にワーホリは出会いと別れの連続です。
むしろ5ヶ月も6ヶ月も一緒に過ごすことの方が珍しいぐらいだと思いますが、それでも惜しみながら彼らとはしばしの別れをしました。
ケアンズを旅立った時、僕に残されていたビザの滞在可能期間は約3ヶ月。
「もうマイク達には会えないかもしれないな」と思ってましたが、僕らの絆は強かったんです。
再会、その後金欠…の大惨事、そしてお金を貸す
この当時、インターネットがまだオーストラリア全域にまでは発達していなくて、なかなか連絡を取るのは難しかったものの、何とかネットカフェを使ってメールのやり取りをした結果、マイク達がわざわざメルボルンまで来てくれることになりました。
やっと出会えたのも束の間、気付いたことはマイク達は4人いるのにみんなほとんどお金を持っていなかったこと。w
ワーホリだからとか違う国だからなんて関係なく、どこにいても生活をするためにお金は必要です。
最初の一週間は、彼らの寝床(安いバッパー)もご飯代も全て僕が払いました。
気付けば一週間で1,000ドルぐらいぶっ飛んでいきました。
それでもまだ僕には5,000ドルは余裕があったので、1,000ドルであればなんてことがなかったんです。
でもさすがに、2週間目になるとどうしようか…と思うようになってきました。
マイクを含めた彼らもやっぱり気まずいようで、その気持ちが僕にもひしひし伝わる程でした。
でも僕もマイクももう少しメルボルンの街を一緒に散策したい気持ちだったんです。
そこで僕は良い案を思いつきました。
お金を貸してあげればいいんだ!と。
お金の貸し借りは友人関係を壊すとよく言われますが、貸す方が問題なければ全く問題になることはありません。
僕はただ大義名分を使っただけで、あげるつもりで貸したわけですし。
これでマイク達も自分たちのお金として自由に使ってもらえるし、僕も自分が全部払っているという気分も拭えるわけです。
大体あと2週間ぐらいは滞在する予定だと言っていたので、2,000ドルを貸してあげました。
するとマイクは最初に僕が払った分も、「全て俺らが借りたことにしてくれ!」と言ってきたのでした。「絶対お金が貯まったら返すから!」の言葉とともに。
僕はいずれにしてもあげたつもりで渡したので、「じゃあ3,000ドル貸したってことで」という話で終わりました。
もちろん口座の話しなどは一つもしてません。
帰国前にケアンズに一緒に戻る
約2週間、メルボルンの街をマイク達と堪能した後、僕は帰国まであと2週間となりました。
メルボルンからは日本への飛行機の直行便が出ておらず、直行便に乗るにはケアンズ空港に行かないといけないことがわかったんです。
「だったら、以前働いていたバナナファームにも顔を出していこうぜ!」という話になり(イニスフェル(Innisfail)という街はケアンズからバスで1時間程度のところ)、帰国直前にまたバナナファームで1週間だけ働くことに。
▼やっぱり週末はどんちゃん騒ぎ
▼プールでバーベキューをしたり
マイホームに戻ったような感覚で、また色濃い1週間を過ごしたわけです。
帰国、そしてマイク達との別れ
夢のようなオーストラリア生活も終わりを迎え、僕は日本に帰国する日がやってきました。
▼イニスフェル(Innisfail)の街を出る時
マイク達は僕よりもう少しビザの期間が残っていたので、イニスフェイル(Innisfail)にいるというのでここでお別れです。
絶対また日本か台湾で会おう!
そう言って僕たちは別れました。
このワーホリで出会った人たちと別れる時、大体が「またいつか会おう!」と言って別れていきます。もう会う事はないだろうな…と思いつつも。
もちろんこの別れ際、お金を貸したことなんて僕は全く忘れていたので、貸した借りたの話しはしないままに別れました。
マイク達とはまた絶対会いたいと思っていたのですが、1年後日本で再会する日が来ることに…。
帰国から1年後、マイクが日本に来て再会
帰国後しばらくは連絡も途絶えてましたが、マイクからfacebookを通じて連絡が来ました。
「元気にしてる?」と。
「日本に行くから会える?」と。
すぐさま僕は返信。
バナナファームで働いていた頃にオーストラリアで出会い、そのまま付き合うことになりました。
そして7年ぐらい経った今、彼らは結婚し昨年子供が生まれています。
僕はオーストラリアにいた頃から、マイクには日本に彼女がいると(今の妻の)話しをしていたので、この日は妻(当時は彼女)も呼んで4人で奈良に遊びに行きました。
僕も妻も仕事があったので一日だけの再会でしたが、それはそれは楽しいものでした。
この後彼らは関東の方によって台湾に帰るとのことで、僕たちと別れました。
そして、この時もお金を貸したことさえ忘れている僕だったので、そんな話は出ないままです。
それから約2年後、再びマイクから連絡が来た!
facebookのメッセージを見返したら、リアルな返事がありました。
文法とかそういうのはちょっと間違ってたりするけど気にしないでね。
マイクのメッセージに「super busy」と書かれているように、僕は帰国した1年後にブラック企業に勤め始めてしまい、誰とも連絡を取れないぐらいにハードな毎日を過ごしていました。
そんな矢先にマイクから、「お金を返したいから銀行口座を教えて」と連絡が来たんです。
そこから1週間ぐらいで、日本円で20万円ぐらい(だったはず)を入金してくれました。
金額はいくらだったとしても、まさか貸してから3年後、最後の再会からは2年が経ってもちゃんと約束を守ってくれた彼らに、ものすごく感動したのを覚えています。
こんなに胸が震える出会いはワーホリでしか体験出来なかった
僕の人生があまり刺激的ではなかったんじゃないか?と言われると、もしかしたらそう思う人にはそうだったのかもしれません。
でもこのワーホリで、思い起こせば最高の一期一会を何度も経験し、マイク(とその友達)という最高の友達が出来ました。
こんなに胸が震える出会いは経験したことがない程に、今でも素晴らしい体験だったと言い切れます。
残念なことに、ワーホリでのこの出会いは僕の最高の財産だと胸を張って言えるものでしたが、当時からの仕事が多忙すぎたことを理由に僕が音信不通になってしまい、それ以来マイクとは会えていません。
何度も連絡はくれていたのに僕が返信することを忘れ、いつしか疎遠になってしまったんです。
恐らく、今また連絡をすれば返信をしてくれるはずなので、この記事を書いたことをキッカケにまたマイクに連絡を取ろうかなと思っています。
その時には「ワーホリから8年後…」といった記事を書きたいと思います。
もはや3,000ドル貸した話しではなく、ただのワーホリの話しになりましたが、信頼出来る友達っていうのはいつになっても素敵ですよね。
ワーホリに行きたいなんて人に出会った時には、ぜひ背中を押せる人でありたいと思います。
おしまい!