どうもー、あまり人が経験しないような出来事を実は結構経験しているんじゃないかと思っているNon太(@LoveWifeLives)です。
さて、自分が勤めていた会社がいきなり倒産したとか、何の前触れもなく「もう今日から仕事しなくていいよ」と言われたことがある人は一体どれぐらいいるんでしょうか?
これからどんどん人工知能が発達して、誰でもできる当たり前の仕事は機械がこなす時代が来ると言われています。
実際スーパーのレジなどを見てもその方が効率も良くなるし人件費という面でもお得になるはずなので、近い将来そんな時代がやってくるのは間違いないんでしょうね。
そしてそんな仕事に従事しているたくさんの人たちが仕事を変えることや探すことを余儀なくされるのも間違いないでしょう。
倒産しなかったとしても解雇は突然やってくるかもしれません。
仕事が無くなっていく分、何かしら新しい仕事が出てきてる気もしないこともないですが。
そんな前置きは置いておいて、だいぶ昔の話にはなりますが、僕が20代前半に会社員として働いていた時、朝出社するとすぐに「社長から大事な話しがある」と告げられ、後ほど現れた社長から「会社が倒産することになった」と言われました。
さらには、「翌日からは仕事がないので出社しなくて良い」と言われその日付けでそのまま解雇、極め付けには働いたはずの給料も2ヶ月分支払われないままに終わりました。
そうならない(倒産しにくい)ような、そんな理不尽な対応をしてこない(給料未払いとかがない)職場を選ぶことも大切です。
そして万が一そうなった時にも生きていける環境(会社以外でも収入を得て生きていけるための仕組み)を整えておくことも大切ですね。
今になりそれを痛いほどに痛感します。
この出来事と同じようなことはそうそう起こらないと思いますが、まぁネタとしてお話しするには面白いと思ったので記事にしてみることにしました。
10年以上前の話なので、一切デフォルメなく書いています。
僕と同じように、いきなり倒産になったり解雇されたりという話しは他人事ではない時代になってますからね。
時間がある時に読んでもらえれば!
倒産の話しの前に、当時の時代の背景のお話し
僕が当時勤めていた頃(15年ぐらい前)は、通信バブルと言える時代でした。
携帯電話が加速度的に普及し、インターネットもADSLという革新的な時代に突入した頃。そしてインタネットは光が最強!と言われ始めた時代です。
でも、それと並行して今は古き良き懐かしき固定電話に置いても、し烈な企業戦争が繰り広げられている時代でもありました。
知っていると面白いし、自分が働いていた話しにもなるので当時の固定電話の歴史も触れておきます。
固定電話が自由化されるまでの歴史と流れ
今から何十年も昔、固定電話を持つためには電話加入権というものが必要でした。
今考えるとホントにあり得ない話しですが、家の固定電話の電話番号を手に入れるためには、NTTから電話加入権を購入しなければいけなかったんです。
そして、その固定電話の権利を持っているのは今でいうNTTだけ。まさに独占業界です。
携帯電話のない時代ですから、電話で話すには固定電話が必要なため加入権はバンバン売れていきます。
そして電話を使えるようになると今の携帯電話と同じように、基本使用料と通話料がかかります。基本料はもちろんのこと通話料でももちろんNTTはボロボロに儲けていました。
そんな折、今から20年ぐらい前でしょうか、NTTの一社独占はあかんわー!という声が多くなり、電話加入権の権利(基本使用料)は譲らないまでも、通話料に関する権利は他社の事業社も参入できるようにしようということで、今でいうKDDIや日本テレコム(ソフトバンクテレコム、最終的にソフトバンクに吸収合併された)という会社が通話料の業界に参入してきました。
これが俗に言うマイラインと呼ばれる時代の幕開けです。
この時代に入ってからは、固定電話の基本使用料はNTTに支払ってても、通話料はKDDIみたいなことが起こりました。
これはこれで革命的な出来事で、通話料が大幅に安くなるという現象が起きたんです。
一社独占の社会が他社競合社会になれば、どんどん価格競争ととも適正価格へと向かっていきますからね。
今の携帯電話事業を例に出すと分かりやすいですが、やれ格安SIMだSIMフリー携帯だと、DoCoMoやソフトバンクを使うよりも格安SIMの会社を選んだ方が良いよ!と良く言われてます。
でも正直なところ実際どこが良いのかわからないし、ちゃんと調べてない人にとってはどこが安いのかも良く分からない状態です。
マイラインも同様でした。
NTTで電話するよりも通話料が安くなる!と言われても、そんな会社が何社もあったので(今の携帯業界ほど多くないけど)みんな良く分からなかったんです。
当時は今のようにブログなどで個人が発信できる力がそこまで認知されていなかったですし。
通信事業社にとっては、通話料の事業に参入出来たといっても、自分の企業を選んでくれた人たちが電話で話してもらわないと儲けることが出来ません。
電話事業に参入して一番欲しい収益は、通話料より何よりもやっぱり基本料金なんです。
だって、加入者がいるというだけで100%発生する料金なわけですから。
昔の固定電話の基本料金は約1,750円ぐらい。
これが1つの電話番号に対して掛かる料金なので、そこに何百万、何千万回線の契約があれば、それだけでものすごい額が稼げるのは簡単に分かりますね。
KDDIや日本テレコムも、この固定電話の基本料金を何とかして手に入れられないかとずっと思っていたんです。
それからどれくらいの年月が経ったのかは忘れてしまいましたが、KDDIや日本テレコムが思っていたことが現実になります。
固定電話の通話料だけじゃなく基本料に関しても、自分で好きな企業を選んでも良いという規制緩和が行われました。
固定電話の基本使用料戦国時代の到来です。
当時はこれがものすごい話題になりました。
今までNTT一社独占だった基本料の部分まで、利用者が選べる時代になったからです。
余談ですが、今のようにセット割のようなものが充実していなかったので、携帯はDoCoMo、家の固定電話はKDDI、インターネットはYahoo!のADSL、みたいな何とも笑える契約をしている人が何人もいました。w
そして僕が勤めていた会社は、「固定電話の通話料だけじゃなくて基本料金まで安くなるプランが出ましたよ!」というテレアポ事業でグイグイ業績を伸ばした会社だったんです。
業績は好調! 給料もうなぎのぼり!
当時の固定電話で有名だった企業は3社。
NTT・KDDI・日本テレコムです。
NTTの固定電話に対抗して、KDDIはメタルプラス、日本テレコムはおとくラインというプランで固定電話のすべてが安くなるという営業攻勢をかけていました。
僕が勤めていた会社は日本テレコムの代理店を持っている会社と契約し、その代理店と同じ業務をこなすという仕事。
なので世の中の固定電話を契約しているお客さんに対してテレアポを行い、いけいけどんどんで日本テレコムに切り替えるための営業をしまくっていました。
15年近く前のテレアポでもガチャ切りは多かったものの、その大半は今まで「通話料が安くなるよ!」という営業を受けていたイメージからでした。
電話を受けた瞬間に、「また通話料の営業の電話が来た…」と思ったら「通話料じゃなくて固定電話の基本使用料が安くなりますよ」と言われるので、一瞬は「ん?どういうこと?」となることが多かったんです。
そうやって話しを聞いてくれる人も多かったのでバンバン契約を取っていきました。
勤めていた会社も、このテレアポを始めれば儲かる!ということで立ち上がった会社。
僕はオープニングで入社しましたが、とにかく契約を取りまくっていったので会社の業績も自分の給料もうなぎのぼりに上昇していきました。
大阪を本社として始まり業務拡大と称して支店を増やし、東京支店、福岡支店、大阪にももう一つ支店を作りました。
そして次は名古屋支店だ!ということが決定し、その支店担当は僕になる予定でした。
そのために2ヶ月の東京武者修行も行い、いざこれから!という時にある一つの事件が起こります…
競合他社が架空契約をあげる事件が勃発
勤めていた会社は、東証一部の某大手企業の中に入り(出向みたいな感じ)、そこの社員たちと同じようにテレアポを行う業務でした。
その某大手企業は昔からソフトバンクの代理店契約を結んでいたので、ソフトバンクの傘下だった日本テレコムの代理店契約も持っていたんです。
そして当時から業績も良かった(Yahoo!のADSL契約を獲得しまくってた)某会社。(勘が鋭い人はこの企業がどこか分かるかもしれませんね)
そのおかげでソフトバンク社長の孫さんから、代理店としてはかなりの優遇措置を受けていたので、日本テレコムのおとくラインを契約する時は電話一本のみでOKという契約に。
電話口で「NTTから日本テレコムに変えます!」という発言が取れた時点で、契約が出来るようになっていました。
もう大体予想は出来ると思いますが…
そう、こんなテレアポのやり方をしていると、NTTが安くなると思ってた!や、印鑑とか押してないのに何で契約になってんのよ!というクレームがたくさん出てきてしまったんです。
それでも実際NTTから日本テレコムに切り替えるだけで、お客さん側はホントに何もしなくても基本料と通話料がセットで安くなるという事実は確かだったので、その辺は割り切ってました。
あまりにひどすぎる電話営業攻勢が続いているので、総務省から某大手企業に勧告が入ったりもしました。
それでも安くなるのは確かだったので、営業の手を緩めずにガンガン電話しまくりの日々。
それから数ヶ月が経ったある日、いつものように朝会社に出社すると、「今日は日本テレコムの電話営業をしてはいけない」という通達が入りました。
当時仲の良かった某大手企業で働いていた一部社員にこっそりワケを聞くと、
「日本テレコムの代理店をしている競合他社が架空の契約を日本テレコムにあげて、それが大問題になってしまったから」と聞きました。
そう、僕たちは口頭で一応Yesをもらった上で契約を進めていましたが(キャンセルもありえないほどあったけど)、その競合他社は完全にお客さんがNoと断ったにも関わらず契約書をあげてしまったんです。
契約書があがってきた日本テレコムは、お礼状とともに今後の切り替えに関する案内状をお客さんのもとへ送付しました。
お客さんからすると、全くもって身に覚えのない契約後の案内状が来たわけですから、そりゃ大激怒です。
そしてこの問題が表面化し、さらには総務省をも巻き込んでひと悶着となってしまったんです。
このことを皮切りに、かねてからクレームの多かった日本テレコムの電話営業活動も、一旦は営業自粛を余儀なくされました。
一瞬で某大手企業からは契約を解除される
説明した通り、僕が働いていた会社は某大手企業の会社の中に入り、そこで自分達の会社が1チームとなり電話営業を行っていました。
某大手企業としては、日本テレコムの回線契約を増やすために僕たちを雇っていたはずなのに、その日本テレコムの営業が出来なければ雇っている意味がありません。
さらにくしくも、テレアポにとっては最大の法律であった個人情報保護法が施行されたのもこの頃でした。
それと相まって、営業が再開できる見込みもまったくめどが付きません。
そして1ヶ月後、僕らの会社は某大手企業からあっさり契約を解除されてしまうことになりました。
やっぱり会社対会社になると、そんなものです。
今はなきYahoo!クーポンなる案件に乗り出す!
日本テレコムの営業をしたのは約1年程でしたが、その間に会社はかなり儲けていたので会社を運営するための体力はまだ十分にありました。
とは言っても、何十人ものアルバイトを雇い続けるための案件がなかったので、アルバイトたちは全員解雇となり、残ったのは僕を含めて社員の8人ほどでした。
事業の転換を余儀なくされたわけですが、個人情報保護法と個人宅へのテレアポに限界を感じていた会社は、今はなきYahoo!クーポンなるものを案内できる代理店契約を結んでいました。
この頃、全盛を極めていたホットペッパー。
今となってはご飯のお店を探す時は食べログやぐるなびを見る人もたくさんいると思いますが、当時は「何か飲食店を探すと言ったらホットペッパー」というぐらいに完全独走状態でした。
そんな時代とともに、「このサイトのこのページを見せたら飲食代●%オフ!」みたいなウェブサイトが増えてきたのもこの頃です。
その流れを受けて、ポータルサイトとして圧倒的な力を誇っていたYahoo!が、ホットペッパーと同じようにサービスが割引なるというYahoo!クーポンというものを販売することにしたわけです。
また、個人への営業ではなくお店を営業している人向けの広告なので、僕たちの営業もお店への営業を行うことへと変化しました。
上手くいくはずがない数ヶ月
個人とお店への営業の仕方では全くやり方が異なります。特にアプローチの時点ではるかに違うんです。
社員の誰一人として最初はうまくいきませんでした。
それでもたまにアポが取れたりして話しをしにいくわけですが、契約までこぎつけるのは難しい日が続きました。
ムダにお金を使うのはやめようということで、アポが取れた先に向かう時に使う電車も、アポが入っていない社員の定期券があればそれを利用して交通費を浮かせたり、テレアポの電話代もムダにはかけないようにしたり、色々と節約をするように働きました。
確かに節約はしていたものの、まさか会社が倒産するなんて夢にも思っていません。
夏前に某大手企業から契約を解除され、夏が始まってアポに奔走するも契約が取れない日々を過ごしていましたが、残暑厳しいまだ暑い日が続いていた頃、全くうまくいっていなかった契約が少しずつ取れるようになっていきました。
「Yahoo!クーポンって安いらしいね!」
「そのクーポンを導入して来客にどう繋がったのかデータを見せてほしい!」
などなど、色々な声が寄せられるようになります。
そして僕は一心不乱に関西中のお店を駆け回り、飲食店だけではなく美容室、エステ店、英会話教室からラブホテルまで営業に行きました。
その甲斐もあってか、全国にある支店数十件分全てまとめてYahoo!クーポンに載せたい!という話がまとまり、来週に契約書を完結させるところまで進んでいた頃…
嵐は突然にやってきたんです。
突然の倒産宣告、そして解雇
契約が取れるようになってきて、これからという時、いつものように会社へ出社したら、社長の右腕として働いていたTさんが来ていました。
Tさんの他にも数名が社内にいて、何やら重苦しい雰囲気がありました。
そしてTさんが一言、「社長から大事な話しがあるから、今日は仕事しなくていいから」と。
わけがわからないままに自分のデスクに座り、次の話しが来るまでじっと待っていました。
全員が揃ったところでTさんが、「今日は社長が来るのが15時頃になるから、その時に話しをするのでそれまではどこかで時間を潰しておいてください。また15時になったら戻ってきてください」と。
状況を掴めないまま僕たちは会社を一旦追い出されました。
外に出てから社員同士で、「もしかして倒産するんじゃないの?」、「いやいや、さすがにそれはまだないやろー!」、「じゃあ事務所移転とか?」、など色々な話をしながらも、この時はまだ余裕でいた。
みんなでのんきにラウンドワンに遊びに行って遊びましたから。
15時になり会社に戻ると、社長がいつも乗っているベンツがビル前に止まっているのが見えて、「あっ、もう社長来てるやん!」と言いながら会社に戻ったのを覚えています。
全員が席に着いた後、静かに社長が口を開きました。
「某大手企業との契約が出来た時に、その契約が今後も続くものと見越して先行投資をしていましたが、知っての通り契約が終了になりました。
その為先行投資した分が回収できないままに今まで赤字経営でやってきましたが、会社のお金が底をついてしまいました。
非情に申し訳ないですが、会社は倒産するしかないので、今日を持って会社は倒産することになりました。
また、会社にお金がないので、皆さんに給料としてお支払できるお金も残っていません。
何とか工面してそれはお支払したいと思ってますが、いつになるかわかりません。
用意出来たときには皆さんに連絡し、お支払するようにします。
まことに申し訳ないですが、今日で●●株式会社は解散します。
明日からは出勤してもらっても仕事がないので、今日で解散となります。
すみません。
うん、多分こんな感じだったと思う。
会社が倒産したことも驚いたし、今日限りで解散と言うことも驚いたのは確かだけど…
倒産すると言っているのに、どうして社長はベンツは売らずにいるんだろう?と思ったのが正直な感想。
その車を売れば社員数名の給料ぐらいは捻出出来るだろうと、未熟な僕でも分かりました。
でもそこに矛盾を感じたため、もはやこの会社と取り合うのは面倒くさいと思ったので、僕は給料を催促しませんでした。
案の定、向こうから給料を支払う話しは来ることなく、その日以来一度も連絡がないままそのまま音信不通となりました。
こうして自分が勤めていた会社はいきなり倒産し、僕は解雇されたのでした。
後日談で聞いた話し
この話には後日談があります。
当時一緒に社員として頑張っていた人と、一人だけ今も交流がある友人がいるのですがその人から聞いた話。
ホントは倒産と言った時、会社にはまだたっぷり資金は残っていたんだとか。
社長はお金にがめつい人だったので、このまま経営しても社員に給料を払うだけムダになると判断し、黒字倒産をさせたみたいです。
何とか会社を立て直そうとするよりも、倒産させて新しく仕切り直した方が良いと判断したんでしょう。
交流のある友人の彼氏も当時は一緒に社員として働いていたのですが、その彼は納得がいかず弁護士を立てる寸前までいって給料を支払えと催促し続けたみたいです。
それでも払わない会社に業を煮やし裁判沙汰の話しをすると、急に手の平を返すようにポンッと彼と彼女の給料2ヶ月分が100万円以上支払われたんだとか。
もう10年以上前の話しなのでどうでもいいですが、何とも後味の悪い結末となりました。
いきなり解雇されてしまった僕は、契約が決まりそうになっていた先方の会社にワケを話すでもなく、そのまま放置。
結果的には料金をもらう前だったので良かったですが…
そしてYahoo!クーポンのサービスは世間に認知されなかったのか、最終的にはサービス自体消滅したみたいです。
当時の僕自身も働き口を失い、路頭に迷ってしまったことは言うまでもありません。
明日は我が身?いきなりの倒産と解雇の話し / まとめ
色々と脱線しましたが、これは実際に僕が経験した話しです
長すぎ!と言われるかもしれませんが、僕が経験したこんな出来事ってこれからもっと増えるんじゃないかって思うんです。
いきなり倒産を宣告された…いきない解雇通告…。
ブラック企業で働いているというなら、そもそも法を犯している企業なので、平気で法を破った発言もしてくるかもしれません。
結局は自分の身は自分で守るしかないので、何が起こっても対処していける知識と環境を持っておくことってめっちゃ大切!ということです。
対処していける環境としてブログで稼ぐ方法を身に付けろ!なんて微塵も思ってません。一つの選択肢としてブログはあるだけだとも思うので。
僕はめっちゃくちゃ可能性のあるものと考えてますけど。
僕が体験したこの倒産と解雇も、ホントに誰にでも起こり得る話だと思うのでみんな気を付けてください!ということです。
長くなったけど以上です!