職業訓練には「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類があるというので、ハローワークで説明を聞いてきました!

どうもー妻子持ちながら、いまだに山あり谷ありの人生を経験しているNon太(@LoveWifeLives)です。

転職を考えた事のある人なら一度は聞いたことがあるのでは?というのが、ハローワークが斡旋している「職業訓練」という言葉。

Non太
何かお金をもらいながら勉強出来てスキル磨けるやつ?

なんて口が裂けても言えませんが、そんなイメージを持ってる人も多いかもしれません。

 

実際には、就職することを目指している人が受けられる制度なのですが、お金をもらいながら勉強が出来るという点はホントです。

また、職業訓練と一言に言っても「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」があったりして、なかなかややこしかったので実際にハローワークに行って説明を聞いてきました。

とりあえず聞きたいところは聞けたので、備忘録も兼ねて聞いた情報をまとめておきたいと思います。

職業訓練には「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類がある

そもそも職業訓練とは、就職したいと積極的に活動しているけれど、仕事に就くために必要な知識や技能が不足していてなかなか就職に結びつかない、という人に向けて、一定の期間職業訓練実施施設で、知識や技能を習得し就職に繋げるための制度です。

要するに、就職したいために知識を付けたり技術を学ぶ、というのが大前提になります。

なので、とりあえず資格取得したいし…とか、趣味の領域を広げたいから…といった理由では受講できないことになっています。

また、在職中で雇用保険被保険者(雇用保険料を払っている人)も受講することは出来ません。

これらを一言でまとめて「職業訓練」と呼んでいるわけですが、その中には「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」という2種類があります。

どちらもテキスト代等を除き、受講料は無料で受けられます。(一部長期のものなど有料もあります)

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「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の違いについて

どちらも職業訓練ですが、一体この2つは何が違うのかを見てみます。

受講の対象者が違う

「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」はどちらも職業訓練には違いありませんが、原則的に対象者に違いがあります。

  • 公共職業訓練は、雇用保険(失業給付金)を受給出来る人が対象
  • 求職者支援訓練は、雇用保険(失業給付金)を受給出来ない人が対象

となっています。

 

退職した人や退職が決まっている人、雇用保険(失業給付金)の手続きをしている人やすでに受給中の人(諸条件はあります)が受けられるのが公共職業訓練。

もうすでに雇用保険の給付が終わっているとか、自営業をやっていて雇用保険の支払いをしていなかった、というような人が受けられるのが求職者支援訓練というわけです。

もちろんこれは「原則的には」ということなので、絶対に受講出来ないわけではなく、ハローワークでの相談によって認められる場合もあります。

根本は就職を目指しているという大前提のもとに、受講出来るものになっています。

給付金に違いがある

目指す仕事に就きたいのは山々だけど、勉強してる間は収入がゼロになるのは厳しい…なんてことがある人もいるはずです。

職業訓練では、そのような心配を減らして勉強に集中できるようにと、給付金を受けながら学べる仕組みがありますが(条件は多数ありますが)、その給付金にも違いがあります。

 

公共職業訓練を受講出来る基本的な対象者は、雇用保険を受給出来る人となっています。

雇用保険を受給出来る人とは、月に2回の求職活動を行っていれば失業給付金がもらえる人のことを指します。

ということは簡単に言うと、公共職業訓練を受ける人の給付金は、雇用保険の給付というのが一般的です。

ここで一つのポイントですが、通常自己都合で退職した場合、離職票をもらいハローワークで手続きをして、待機期間7日間を過ごし、それから給付制限期間である3ヶ月を乗り越えてから、やっと雇用保険の支給が始まります。

超ざっくり言うと、9月末で退職して10月中旬にハローワークで手続きをしたとすると、翌年の1月の下旬頃からやっと支給が開始されるといった感じです。

でも、公共職業訓練を受講した場合、この3ヶ月の給付制限期間をすっ飛ばして給付が受けられる仕組みになっています。

自己都合で辞めたけど、3ヶ月間も全く無収入はヤバい…って人には、ありがたい制度だったりします。(就職する意志があるのは大前提ですが…)

 

一方、求職者支援訓練を受講出来る対象は、原則的に雇用保険を受給出来ない人です。

雇用保険を受給出来ない人とは、すでに雇用保険の給付が終わり、でもまだ職に就けていない人だったり、自営業(フリーランス)をやっていて、廃業したけど雇用保険がない人など、とにかく雇用保険を貰えない人が該当します。

雇用保険の給付がなければ、どうやって給付金をもらいながら勉強出来るのかという話ですが、そこで出てくるのが「職業訓練受講給付金」という制度です。

一定条件があるのでそれを満たす必要がありますが、それさえ出来れば、求職者支援訓練を受講しながら訓練受講期間中は月10万円の支給を受けられるという給付金です。

でも、この一定条件がなかなか厳しめであるとも言えます。

【支給条件】

  • 本人収入が月8万円以下(※1)
  • 世帯全体の収入が月25万円以下(※1、2)
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下(※2)
  • 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  • 全ての訓練実施日に出席している
    (やむを得ない理由がある場合でも、支給申請の対象となる訓練期間の8割以上出席している)
    (※3)
  • 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない(※2)
  • 過去3年以内に、偽りその他の不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない

(※1)「収入」とは、税引前の給与などの他、年金その他全般の収入を指します。
(※2)「世帯」とは、本人のほか、同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母が該当します。
(※3)「出席」とは、訓練実施日において全てのカリキュラムに出席している日を指します。また、遅刻・欠課・早退は欠席扱いとなります。

詳しくは厚生労働省のページ(職業訓練受講給付金(求職者支援制度))を参照ください。

自分の収入は8万円以下や世帯全体の収入が25万円以下など、独身で1人暮らしなどであれば比較的容易かもしれませんが(逆に10万円だけじゃ生活できないかもですが)、親と同居していたり結婚して配偶者がガッツリ働いているなどがあると難しいかもしれません。

と言った具合に、なかなかこの給付を受けるのが難しい人もいるという事です。

 

給付金のことを考えるなら、雇用保険を受給しながら勉強出来る公共職業訓練の方が受講しやすいと言えるかもしれませんね。

開講日に違いがある

これは僕が話を聞いてきたハローワーク淀川での話しです。

とは言っても、大体どこのハローワークにしても開講日の違いはあると思いますが、この限りではありません。

  • 公共職業訓練の開講日は、基本的に毎月月初めに開講。
  • 求職者支援訓練は、基本的に毎月16日頃に開講。

上記を考えてみると、月末で退職した時に、翌日である1日から公共職業訓練を受講するって可能なのか?という考えが浮かんできます。

ハローワークの担当者に聞いたところ、「実際不可能じゃないけど、かなり難しい」とのこと。

「出来るなら、雇用保険を受給出来る状態で受講する方が良いですよ」と言われました。

これを素直に実践するなら、

  1. 月末で退職
  2. 翌月に離職票をもらったり雇用保険受給の手続きをしたり、公共職業訓練の応募の面談をしたり、という時間にあてる
  3. さらに翌月の1日から受講する

ということになります。

詳しく話すと、退職前から受講したいコースに応募したりしておく必要がありますが、ここでは割愛。

 

退職の翌日からすぐ受講ではなく、退職翌々月頃からの受講が良いよと言うには色々と理由がありますが、ハローワークの人が一番推していたポイントとしては、受講日前日までに受給資格がある状態にしておかなければ、ハローワークからの受講指示を受けられないからという点でした。

受講指示とは…?

ハローワーク所長の指示のことを受講指示と言います。

これを受けて訓練を受講することで様々なメリットが出てきます。

  • 職業訓練期間中に、雇用保険受給の残日数が0になっても、訓練終了までは給付が継続される。
  • 通所手当と言って、交通費がもらえる。
  • 受講手当と言って、訓練を受けた日に支給される手当として500円 / 日が支給される。(最大で40日分=20,000円分)

などなど。

「これが全部受けられなくなるから、公共職業訓練の受講をする場合、例えば9月末で退職するなら、11月から始まる受講にするのがおすすめ!」と言われました。

仮に自己都合で退職した場合、給付制限として3ヶ月経ってからの支給となるはずが、受講と同時に給付が始まることになります。

それでもこのやり方だと1ヶ月間は給付が受けられず無収入になるようです。

この辺りは離職票が到着するタイミングや退職する職場の対応などで個人差もありますが、1ヶ月は収入(給付)がないのは仕方ないところなのかなと思います。


ちなみに…

退職して雇用保険を受給出来る人が求職者支援訓練を受けられないのか?という質問をしたところ、「受けることは出来る」という回答をもらえました。

ただ、給付制限の3ヶ月間がすっ飛ばされることもなければ、また交通費の支給や受講手当などの待遇も一切ありません。

ということから、「雇用保険の給付を受けられるのなら公共職業訓練の方がおすすめですよ」ということでした。

連続受講は不可!

どちらの職業訓練にしろ、給付金をもらいながら勉強できるんだったら、1度目の訓練が終わったらまた次の訓練を受講すれば良いんじゃ…?と、安易な発想が浮かぶかもしれません。

ですが、職業訓練を受講した場合、終了後1年が経過するまでは再び職業訓練の受講は出来ないと決められています。(求職者支援訓練の基礎コースの受講は、前の職業訓練の終了後、2年が経過していないと受講不可)

これが何度でも認められてたら、就職のためにと言いつつ、延々と受け続けてしまう人が出てきてしまいますから。

ただ例外もあります。

ハローワークで連続受講の必要性が認められ、且つ、求職者支援訓練の基礎コースから求職者支援訓練の実践コース、もしくは公共職業訓練であれば連続受講が可能となっています。

管轄のハローワークによって若干の違いがあるので注意!

とりあえずの概要として書いてきましたが、細かいポイントはハローワークごとに設定が違うことがあるので注意が必要です。

例えば、雇用保険の給付を受けられる人が公共職業訓練を受講したとします。

雇用保険の給付を受けるには、通常であれば認定日にハローワークに出向き手続きをしないと支給されることはありません。

ですが公共職業訓練を受講している場合には、認定日に出向かなくとも、受講している学校に通うことで後は学校側が手続きをしてくれる、なんて場合もあります。

一方僕が聞いてきた大阪のハローワーク淀川では、認定日には午前に学校に行って午後からハローワークに行って手続きしたりが必要だと説明を受けました。

 

このように、同じ状況であったとしてもハローワークによってルールが変わることがあるので、受講しようかと考えている場合には、ハローワークで質問しまくるのが最善ですよ!

公共職業訓練と求職者支援訓練の違い / まとめ

かなり長くなってしまったので、最後に公共職業訓練と求職者支援訓練について、簡潔にまとめておきたいと思います。

公共職業訓練

原則として、雇用保険を受給出来る人が受講出来る制度。

雇用保険を受給しながら、さらに受講手当や交通費も支給されながら学ぶことが可能。

もし雇用保険の給付期間が3ヶ月で、受講期間が4ヶ月の場合、雇用保険の給付期間が終了しても受講が終わるまでは給付期間は延長されます。

会社を退職して、職業訓練を受けようと思っているなら、間違いなく公共職業訓練を受講した方が苦労することなく勉強に励む事が出来ると言えますね。

 

求職者支援訓練

原則として、雇用保険の受給が出来ない人が受講出来る制度。

雇用保険の代わりに、一定条件をクリアすることで、月10万円が支給される職業訓練受講給付金があります。

受講手当や交通費の手当は一切なし

職業訓練受講給付金の支給を受けている場合は、訓練終了まで給付されます。

雇用保険がもらえない状況で訓練を受講したいという場合には、職業訓練受講給付金のことも考えれば、役立つかもしれません。

 

訓練内容も公共職業訓練と求職者支援訓練とでは、大きく差があることもあります。

最終的に受講を考えている場合には、自分の住む街のハローワークに行って話を聞いたり質問するのが一番理解出来ると思いますよ。


こういう制度も利用して色々とやってみたいなーと思わないこともないですね。

ぜひ参考にして下さい。

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