「怒られるから」・「評価に関わるから」という心理が働かない時の人は、大体みんな穏やかで親切で優しい

4月と言えば新年度。

今年も色んな企業に新しく社会人となるフレッシュな若者が続々と入社していることでしょう。

 

僕は2月頃にすでに転職をし、新たな企業(と言っても大学ですが)で働き始めています。

そんな中、先日考えさせられる出来事があり、「人の心って本当はこうだよな」と思うところがあったので、新しく社会人になる人に向けて、且つ自分への忠告として思ったことを残しておきたいと思います。

 

たくさんのルールに縛られやすい会社という組織で働くとなると、自分の力ではどうしようもないことが多々あるし、意味不明に怒られることもあるし、想像もしない理不尽な出来事が降り注ぐこともあるかもしれません。

ですが、覚えておいておかなきゃいけないと思ったのは、「怒られるから」、「評価に関わるから」ということがなければ、ホントはみんな穏やかで親切で優しい人が多いってことです。

僕はいまやリーマンブロガーとなり、仕事にブログに育児に奮闘している身です。

先輩風を吹かせる気はさらさらありませんが、そっと心の内に留めておいてくれたら嬉しく思います。

「どうしても今印刷をしなければいけない」という学生の依頼

僕は今、とある大学の職員として働いていて、大学のWEBページの作成や修正や更新とか、その他色々な業務をやっています。

そして勤務する事務室の隣はコンピュータールームで、学生がいつでも利用出来る部屋になっています。

でも、3月は大学が春休みだったので、コンピュータールームは開いておらず、学生がパソコンを使用したい場合は別館にある棟に行ってもらわないといけませんでした。

そんなある日、こんなことがあったんです。

 

僕が出勤したのを見計らったように、一人の学生が勢いよく事務室に入ってきて、

学生

すみません。コンピュータールームって開けてもらえますか?

と、血相を変えて言ってきました。

冒頭で説明したように、今は春休みで部屋を開放していません。

残念ながら別館の棟に行ってもらわないといけないので、僕はこう言いました。

Non太
ごめんね。春休みはここを開放していないから、N棟に行ってもらわないとダメで…。

そこだったらパソコンが使えるんで、そっちに行ってもらっていいですか。

個人的な想いだけであれば、さっと部屋を開けてコンピュータールームを使わせてあげたかったのですが、あまり勝手なことをすると後々が大変なので、決められたルールを伝えました。

すると、

学生

さっきN棟行ったんですけど、部屋が開いてなかったんです…。

この時、勤務開始時間までは20分近くあったため、N棟にはまだ誰も出勤していなかったようです。

確認のために、僕もN棟に内線電話をしたものの誰も出ません。

Non太
インターネットを使いたいとかですか?

僕は何の用途で使いたいのか学生に確認しました。

学生

成績表を印刷するだけなんですけど、今しないといけなくて…

とのこと。

そこで僕はとっさに考えました。

  1. コンピュータールームを開けてあげる
  2. 事務所内の自分用のPCをこっそり使わせてあげる
  3. 断る

の3つです。

僕個人的な意見であれば、何の問題もなくコンピュータールームを開けてあげたいのですが、それをすると「過去に開けてもらったから」という前例が出来てしまい、同じような状況が発生した時に今後断りにくくなる恐れがあります。

そして勝手に部屋を開けたということで、僕自身が怒られる恐れもあったり。

怒られるのは気分が良いものではありませんからね。

 

次に、事務所内の自分用のPCをこっそり使わせてあげるということは、学生には見せられないデータを扱っていたのでさすがに却下。

3つめの「断る」を選択すれば、学生には気の毒ですが、僕が怒られることはなく済む話になるでしょう。

もしかすると、ルールを守ったはずなのに「柔軟に対応してあげてほしかった!」と言われるかもしれませんし、断られた学生は怒り心頭になるかもしれませんが。

 

一律の規制を守るために組織内のルールを遵守しないといけない」という想いと、「怒られるのは嫌だしな」という想いと、「これぐらいは対応してあげたい」と思う気持ちで色々と揺れました。

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部屋を開けるという選択

この一連の状況を、逆になって考えてみました。

自分に部下や後輩が出来て、同じような状況に遭遇していた時、果たして部屋を開けた部下や後輩に対して自分はどう言葉をかけるか。

また、逆に開けなかったとしたらどう反応するかについて。

どちらにしても、「あー全然オッケーやで!」で終わるなぁというのが僕の答え。

むしろ、開けなかった場合には、「こっそり開けてあげて大丈夫やで」と言うだろうなと。

といったような逡巡を5秒ほどした後、

Non太
こっそりやで!一応内緒やで!

と学生に伝え、コンピュータールームを開けてあげました。

組織に入ると矛盾と葛藤に挟まれることは多い

今回例に出した話は、正直なところ「どっちでもいいやん」と思えるような例です。

ですが、会社や組織の中に入ると、同じ出来事ではないにしろ、同じような状況に遭遇する可能性は大いにあります。

そしてその取捨選択が難しい。

どう考えてもAという選択肢を取るべきなのに、組織のルールや会社の看板を背負ってるがためにBという選択肢を取ることになる…みたいなことです。

そんな会社は辞めて、さっさと転職しましょう!」と、それが出来ればいいですが、実際のところはそう簡単じゃないですしね。

それと同様に、先輩や上司が理不尽な要求をしてきたり、怒ってくる場合も往々にしてあります。

なぜそんな理不尽な対応をするのか?を考えてみると、少しは落ち着いて受け止められるはず!

今回の学生の話で、もしそれが自分が作った会社の出来事で、ルールは自分が決めていて、従業員もおらずルールを変更しても誰にも何も言われない環境だとしたなら、「いや、N棟に行ってもらわないとダメだ!」なんて言う人がいるでしょうか?

多分誰もがふたつ返事で、「あ、いいよ」と言ってあげると思うんです。

だって、その対応をしてあげたところで誰にも怒られないし、誰にも悪い評価を付けられないし、むしろ学生には「ありがとう」と言ってもらえるぐらいのことのはずですから。

 

要するに何が言いたいかというと、「怒られたくないから」、「評価を下げられたくないから」という心理が働いて、理不尽な話になっていることがたくさんあるということです。

これが分かっていると、上司や先輩や同僚に「何でそんな言われ方しないといけないの?」ということでイラつきモードになりそうなところ、「あの人もそう言わないと自分が怒られるもんな」みたいな感じで、少しは落ち着いて受け止められると思いませんか?

この心理が分かっているからと言って、その理不尽を全て回避することは出来ませんが。

そして、たまにイカレてしまっている人もいるので、そういう人とは距離を置くほかありませんが。

 

意識的か無意識かは別として、そういう状況を抜きにした時の人って、大体みんな穏やかで親切で優しいものなんですよね。

これをすかして上から目線な感じでやってしまうと、火に油を注ぐような状況になりかねないので、その辺りは注意しないといけないですけどね。

優しさのある行動は勇気がいるけど出来る人になっていきたい /まとめ

人間には良心というものがあるはずなのに、色んな心理的要因によってその良心をうまくコントロール出来なくしてしまっているんだと、色んな出来事を見ていて思います。

これは自分自身もそうで、毎回反省の日々です。

 

車を運転していても、急いでいない時は割り込んでくる車に対して穏やかに道を譲ってあげようと思うのに、急いでいる時は1秒でも早く到着したい心理から、割り込ませようとしない意地悪が働いたり。

ハッと気付いて気持ちを切り替えるのですが、心理的余裕がない時にはついついそういう行動が出てきてしまうことがあります。

 

会社や組織の中での仕事においても、自分が怒られないように、自分の評価が下がらないように行動しようとする人はたくさんいます。

そんな中で、正しいこと、良いことを基準にした優しさの行動を取ることは、かなり勇気がいることです。

それをしたおかげで、違う方面で怒られたり、勘違いから評価を下げられるかもしれませんから。

 

もちろん僕自身、経済的に余裕のある生活が出来るに越したことはありません。

評価されることで昇進したり給料が上がったりするのかもしれません。

ですが、それよりも僕は、自分の心を豊かに大きく成長させていきたいと思う気持ちの方が強いので、怒られることや評価などは気にせず、優しさをどんどん振りまいていこうと思っています。

「言うは易く行うは難し」なんですけどね。

 

新しく社会人になった人たちは、きっと無意味だと感じる研修が行われてたり、理不尽な行動を要求されたり、意味不明に怒られたりしているかもしれません。

でも、その裏側には「怒られるのはまっぴらごめんだぜ!」という上司の心理があったり、「叱ってるとこも見せとかないと、俺の評価が下がってしまう!」という先輩の心理があってこそ、ということもあるよってことです。

そんなことを考えてる余裕はないという声も聞こえてきそうですが、良く聞く新社会人に向けた話しとは違う視点で書いてみました。

 

30代半ばのおっさんの僕自身も、新しい会社で1年目を迎えているので、新社会人と同じ気持ちで。

プラス、会社の評価を気にしなくてもより一層大丈夫なように、ブログも頑張ってリーマン育児ブロガーとして頑張ります。

と、新しく社会に飛び込んだ人たちへ、僕からのメッセージでした。

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