僕の妻は以前、飲食店で働いていました。
たまたま家の近くにお店が新しくオープンするというので、オープニングスタッフとして応募したんです。
結果、無事に採用されホールスタッフとして働くことになりました。
それから1年半ぐらい勤務した後、妊娠が発覚しお腹も大きくなってきたことで、さすがにホールを動き回れないということから退職しました。
そして先日、妻が働いていたお店にご飯を食べに行ったのですが、「見返りを求めずとも尽くして頑張ったことは、その瞬間は返ってこなかったとしても、またお金として返ってこなかったとしても、こうやって人のぬくもりや笑顔になって返ってくるんだな」と痛感した出来事がありました。
- 頑張っても報われない。
- 頑張っても尽くしても何も変わらないんだったら頑張る必要も価値もないよね。
そんな風に感じている人へ。
大変だけど頑張ったことには、お金で返ってくるよりもっと素敵なことがあるよ!ってことをお話ししたいと思います。
うまくサボろうとする人と同じ待遇(評価)だった
妻が働いていた飲食店は、アルバイトには優しく社員はかなり厳しいという風潮の職場。そこでアルバイトとして勤務していました。
しっかり教育制度が整っているお店だったので、社員が多く勤務している時は非常にやりやすく、妻も働きやすかったようです。
でも、やっぱりどんな会社やお店にいこうが、うまくサボろうとする人は存在するようです。
同じようにアルバイトで働いている人の中に、毎回バレないようにサボろうとする人がいたんだとか。(以下Aさんと呼びます)
とは言え、Aさんも普通に話す分には可愛らしいと思える人だそうで、なおさら妻も惜しいなぁなんて思いながらもAさんには何も言わずに働いていたんだとか。
というか、妻はそういうことが言えないタイプの人です。w
僕が言うのは何ですが、妻は何事も一生懸命頑張るタイプ。そして天性の接客業のスキルを持っている人(だと思っています)。
仕事がスーパー出来るというよりは、愛嬌を持ってお客さんと接することができるという点で、です。
飲食店で働いたことがなくても分かると思いますが、お客さんが料理を食べて退店した後は、その席に残っている食べた後のお皿や鉄板、おしぼりなどを全てキッチンの方に下げないといけませんよね。
それはホールの仕事の1つでもあります。
妻が働いていたお店には重い鉄板で出される看板料理があるため、毎回その鉄板を持つのが重くて大変なんだと聞かされていました。
オフィス街にあるお店は、お昼のランチ時なんて戦争のようになります。
「時間がないんだからさっさと料理を運んでほしい」と思う客と、「オーダーが一気に同時に入ってるんだから少しぐらい待ってくれよ!」と思うキッチンやホールの人たちとのせめぎ合いで、店内はドタバタ劇。
お客さんが席を立てばすぐに、コップだろうが重い鉄板だろうが下げないといけません。次のお客さんに席を空けないといけないからです。
でもアルバイトのAさんは、いつも鉄板以外の軽いコップやおしぼり、お皿だけを下げて、鉄板はほったらかしにするんだそう。
もし2席同時に空いた場合でさえも、1席目のコップなどを下げた後、鉄板を下げずに2席目の方に向かってまたコップを下げる、といったことを繰り返していたそうです。
席を片付ける仕事がAさんのメイン担当だった日でも、それでもほったらかしにすることがあるとか。
そうすると、別の担当である妻や他の人がその業務をしないといけなくなるわけです。
最初は「鉄板が重すぎて持てないからかな」と思っていたそうですが、特別そんなこともないようです。
どうしても運ばないといけない時には運んでたそうですが、その時もすいすい持って行っていたんだとか。
多分、こういう人はどこにでもいるでしょう。気付かないフリをしたり知れっと誰かがやってくれるだろうと、やってないことを正当化するというか、誤魔化すというか…。
器用と言えば器用なのかもしれません。
そしてAさんの仕事ぶりが変わることもなく1年が経ったものの、Aさんと妻の時給は(少なくとも妻の時給は)上がりませんでした。
いつか頑張っててよかったと思う日がくるよ!
僕は妻がまだバリバリ働いていた時から良くこの話を聞いていました。
でも、それはAさんに対するグチというよりも、うまく手を抜いたり(サボったり)してうまく立ち回れない自分の性格や、分かっているのにそれを言えないことなど、ほとんどが自分に対しての話でした。
「うまくサボったり出来ない自分の性格がイヤになる…」
「でもやっぱり自分ばっかりがやってると思うと、しんどくなってしまう…」
僕は言わなきゃいけない立場であれば、結構ズバズバ言ってしっかり話をするタイプなのですが、妻はそういうのは苦手なタイプ。
僕自身、Aさんの働きぶりを見たわけでもなかったので、一方的にAさんを否定するのはやめておこうと。
でも、頑張っている妻を励まそうと、出てきた言葉はこれしかありませんでした。
誰も見てくれてないって思うけど、時給も上がらへんかもしれへんけど、いつかどこかで頑張って良かったって思える日が来るはずやから。
ちゃんと見てくれてる人は見てくれてたんだなって思える日がいつかどこかで来るから、無理しすぎる程にする必要はないけど、頑張れるだけ頑張ってたら十分やで!
僕の妻はどちらかというと、話しを聞いてもらえればスッキリするタイプなので、こういう話をして僕がこんな感じで締めれば、大体スッキリした顔になっていました。
でも、やっぱり頑張ってようが頑張ってまいが何も変わらない、評価も変わらない、というのは結構しんどいものですよね。
「見てくれている人は見てくれていた」を痛感したこと
そんなこんなで働き続けていたお店。
1年半が経過した頃に、妻は妊娠しつわりが始まりました。
立っているのもままならず、吐き気もひどく到底働けるものではない状態になりました。
半月分のシフトが発表された矢先でしたが、どうしても立っていられないということから、つわりが治まるまで一旦休みが欲しいという事を申し出たんです。
すると、店長さんからは「全然大丈夫!ゆっくり休んでまた体調が良くなったら連絡してくれたら大丈夫やで~」みたいな連絡が返ってきたのでした。
飲食店というのは、人が一人いなくなるだけで大変さが劇的に増すことが多いです。
さらにはシフトが出たばかりだったので、妻の抜けた分をまた組み直さないといけなくなります。
迷惑をかけるのは分かってましたが、それでもどうしても働けないと判断したために申し出たわけですが、そんな大変であることを一つも顔にも言葉にも出さず店長さんは了承してくれました。
本当にありがたい。
この出来事も、妻の頑張りを店長が見ていてくれたからかもしれません。
復帰後、2回目でまた休職
約1ヶ月~1ヶ月半の休職を経て、つわりも少し落ち着いてきたからということで、復帰することに。
休職前は16時頃まで働いていましたが、とりあえずの様子見をするということで14時までの勤務になりました。
後で分かった事実でしたが、実はこの時もすでにシフトが決まっているという時に復帰を申し出たので、わざわざ枠を作って妻が入れる日程を店長とみんなが作ってくれたんだとか。
「働いてたんだから、シフトが出るタイミングは大体分かるやろ!」って話しなんですけどね。w
そして無事に復帰したは良いものの、予想以上に辛かったらしく、「やっぱきついかも…」なんてなりました。
ここでまたしばらく休みたいなんて言うと、「じゃあ辞めたら?」と言われるんじゃないかと想定していましたが、体調には勝てません。
そう言われたら仕方がないと、二回目の出勤時に14時までのところを13時であげてもらい、調整して出してもらったはずのシフトを再度全てキャンセルするという事態になったんです…。
休職したり復帰したりする理由が妊娠なので、めでたいことと言えばそうですが、さすがにその1人の影響で仕事が振り回されるとなるとちょっとは考えないといけません。
例え再度お店に戻ってしばらく働けたとしても、結局は数ヶ月したら出産のために妻は退職するわけです。
その時は休職ではなく退職です。
僕が逆の立場だったら、酷だけど最終的に100%抜ける人が数ヶ月だけ復帰するかどうかを待つよりは、穴が埋められるように新しい人を探すように持っていくかもしれません。
それなのに働いていたお店は、「もしまたつわりが落ち着いて働けるようになりそうやったら連絡してね」の一言。
働いていたお店が、さらには店長が素晴らしかったのかもしれません。
もちろんそれもあったとは思いますが、僕の目には「妻が今までたくさんのことを泣き言も言わず、お店のことを考えて頑張ってきたから」なんだと感じました。
店長さんの対応も、言葉で直接伝えなかったとしても、妻の働きぶりなどを見てくれていたからこその回答だったんだと思わずにはいられませんでした。
退職後に店を訪問した時の対応で、妻が頑張っていたことが全て分かった
それから約2ヶ月間程は無事にお店に復帰することが出来(と言っても週1回か週2回の勤務)、円満退社をすることが出来ました。
妻が退職してからさらに2ヶ月後、2人でそのお店にご飯を食べに行きました。
円満退職が出来ている場合、退職した人が久しぶりにお店に来たりすると、懐かしさもあいまって一瞬は「あっ!」って顔になりますよね。
ランチで行ったのですが、店長やキッチンの人たちからということで、ドリンクに始まり追加の料理やデザートまでサービスしてくれました。
これも妻が頑張ってたからの結果なんだろうなとは思いますが、ちょっと仲良しの人が来てくれたらあるあるのサービスかなとも思ったんです。
でもそれだけじゃありませんでした。
僕がお店に入った時、店長を始め、一緒に働いていた同僚や社員さん、キッチンのスタッフの人までみんな妻に手を振って笑顔で迎えてくれてたんです。(チェーン店ではあるもののスタッフ10人もいない小さなお店ではありますが…)
そして、事あるごとにみんな妻のところに駆け寄ってきて、何度も何度も一言だけど言葉を交わしていくんです。
僕からすると、こんなに来てもらえるものかね?という程に。
オープニングで仕事を始めた場合、イチからお店を作り上げていくことになるので、苦労が絶えなかったりします。
全員のスタートが同じ分、一般的なお店よりもスタッフ同士の仲が良いと言われたりしていますが、それを抜きにしてもこんなに温かく迎えてもらえるのか?と驚きが隠せませんでした。
自分の妻であることを差し置いて客観的な目線で考えたとしても、です。
言い方は悪いですが、これがもし冒頭で例に出したAさんだったらどうでしょうか?
長く勤めてくれた場合、また形的には円満退社をしていた場合、久しぶりに来店すれば「おー久しぶり」とはなるでしょう。
ドリンクの一つはサービスしてもらえるかもしれません。
でも、みんな笑顔になって心から歓迎してくれるような雰囲気になるでしょうか?
- つわりの時に迷惑をかけたにも関わらず対応してくれたこと。
- その後も散々迷惑なことをお願いしたにも関わらず、いつでも戻って来て良いよという場所を提供してくれたこと。
この二つは特に僕からもお礼が言いたかったので、店長さんにお伝えしました。
すると、
「いえいえ、こちらこそいっぱい頑張ってもらってほんとに感謝しかないですよ。元気な子供を産んで、また落ち着いて戻れそうであればぜひ戻ってきてください」
お世辞や社交辞令だったのかもしれませんが、僕には本心で言ってくれているなと感じたんです。
もはやこの出来事を垣間見たことで、妻がしっかり頑張っていたんだなと、素晴らしさを改めて理解するには十分な出来事でした。
いつどこで返ってくるかは分からないしお金では返ってこないことがたくさんあるけど、愛や笑顔で返ってくる方が人生豊かにするよ!
生活のためにはお金を稼がないといけないので、給料をアップさせていくには評価を得なければなりません。
頑張った結果としてたくさんのお金を稼ぐことも良いでしょう。
その稼いだお金でたくさんの経験が出来るからこそ、また人生を豊かにしてくれることにも繋がるはずですから。
でも、どれだけ時代が進化しても、どれだけデジタルな社会になったとしても、人と人とのコミュニケーションがなくなることはありません。
いや、むしろそんなデジタルな社会だからこそ、一番優先すべきは人と人でしょう。
そしてうわべじゃない人間関係は、一生懸命に相手のことを考えて行動し、見返りを求めずに頑張ったからこそ生まれるものなんじゃないでしょうか。
妻は、時給もなかなか上がらない、うまくずる賢く立ち回れない自分が不甲斐ないと思ってしまう時もありましたが、それでもふてくされずに頑張った人です。
そしてその頑張りがあったからこそ、数ヶ月後、つわりでひどい時のシフトのやり取りも調整してもらえ、退職後にも関わらずたくさんの人に迎え入れられ心からの祝福をもらえたわけです。
僕はホントに素敵な奥さんをもらえたなぁと思えたことでもあります。
頑張っても頑張っても報われない…
頑張っても頑張らなくても同じだったらやる必要ない…
そう思っている人へ。
もしかしたら、その環境にいる時には何も返ってはこないかもしれません。
その頑張りは、収入をアップさせるステップには繋がらないかもしれません。
それでもいつかどこかで気付くはずです。
今頑張ってやっていることは、お金じゃ買えない笑顔や愛や思いやりに変わって、自分の心に届けられるということに。
「頑張っても頑張らなくても同じ」という環境でも、自分が出来得る限りの精一杯をやることは大切ですよ!
どこかの誰かに伝われば嬉しく思います。
いいお話ですが、日本語が少々おかしいですね。
主語と述語が噛み合ってないところがあります。
最近は文章が得意でない人であっても、なんでも感じるまま口語的に文章を書いてそのままネットにあげていますね。
内容はいい話なのですが、読み手にすとんと落ちないような言い回しのせいで、そちらに意識が向いてしまいます。
コメントありがとうございます。
確かに思いのままに書いてしまうところがありますので、もっと頑張ります!
ご指摘ありがとうございます!!