こんばんは。Non太(@LoveWifeLives)です。
意味深なタイトルになってしまいましたが、僕はブラック企業に勤めるサラリーマンです。
週6日制は当たり前の会社で1週間に1日休めたらかなり良い方。
基本は2週間に1日ぐらい。休みがなくなった場合の代休はなし。1日の拘束時間は16時間やら18時間なんてザラ。
社員が6人しかいない会社にも関わらず、夜中の2時や3時でも普通に4人ぐらいは毎日のようにいたりする。
残りの2人は女社員であり、社長からのVIP待遇を受けているため、朝は10時~12時頃の間に自由に来て19時には帰ってくレベル。
などなど、言い出したらキリがないほどにブラックと言うには典型的な程に当てはまる会社で僕は働いてきました。
そんな僕も来月の2015年9月で今の会社を退社することが決まっています。
これを機に現在進行形で色々な問題が会社に降りかかっているのですが、まさにブラック企業の末路が見えてしまって恐ろしい…と。
恐らくもってこの会社はあと1年ぐらいなんじゃないかと、本気で思えてきてしまいます。
エースで支えられてきたブラック企業は、そのエースがいなくなると組織としては成り立たず崩壊していきます。
今日はそんなお話し。
始まりから感覚が少しずれてたブラック企業
僕はホントにいたって普通の、何の取り得もないしがないただのサラリーマンでしたが、愚直に今の会社の社畜として5年間奮闘しました。
2010年の7月頃、3度の面接を経て入社することが決まり、その年の9月から入社することになったのですが、ちょうどその採用が決まったのが8月頃。
「イベントの仕事の中でも過酷と言われている仕事があるから」と、「もしそれを体験しておけばどんな仕事も楽に思えるから!」という名目で入社前にそのイベントの仕事に携わりました。
一応アルバイトとして給料ももらえる前提で。
確かに炎天下で過酷な労働環境だったのですが、やっぱり今思い返すと始まりからおかしかったんです。
まずは自分が働いている会社の労働環境などをご紹介しておきます。
入社前の過酷労働
入社前の過酷なイベントの仕事に入ることが決まった後は、集合場所や集合時間は告げられたものの、終了時間が何時までなのかわからないまま現地へ。
そこにはたくさんのスタッフがいて、約50人ぐらいは一緒に働く現場でした。
今後社員としてやっていきますという自己紹介はほどほどに、何も分からないままに、それでも分からないなりに色んな人に聞きながら一生懸命仕事をしていました。
このイベントの本番があったのは夜の21時まで。
朝は9時には集合してたのでこの時点で拘束は12時間。
まぁこれは世の中ざらにあるので良いのですが、そこからが長かった…。
明日の準備と称して(2日間連続開催のイベントだった)、本番が終わった後に今日の片付けと明日の準備が始まりました。
気付けば終電はなくなり、でもそんなことも言い出せず、結局終わったのは夜中の1時ぐらい。
「じゃあ明日の集合は7時で!」なんて言われて解散となりました。
という気持ちになりました。
いや、そもそも電車が動いておらず帰れない…と思っていた矢先、家が近い人同士がレンタカーで相乗りし帰ることになっていたみたいで、送ってもらって何とか帰宅しました。
家についてすぐにシャワーを浴びて、約2時間だけ睡眠を取り、また集合場所へと向かい2日目が始まりました。
最終的に1日目の拘束時間は16時間程度。
そのうちの休憩はというと2分だけでした。
この2分は膀胱炎になってしまう寸前まで我慢したものの、どうしても尿意に負けてトイレに駆け込んだ1回だけ。
昼ご飯休憩もたばこ休憩も、ましてや晩ご飯休憩もない地獄の1日でした。
そんな1回だけのトイレで済むのかよ?と思われるかもしれませんが、屋外のイベントに完全炎天下の直射日光にさらされた現場だったので汗で全て流れました。
だからトイレに行かずとも水分を消費していたのです。
そして2日目。
1日目と同様に炎天下の地獄の中分からないままに仕事をこなし、何とか本番を終える事が出来ました。
これは昨日と同様に21時頃。
そこからまた撤去と称して片付けが始まるのですが、1日目と違うのは明日の準備はなく、逆にイベントで使用した全ての備品の片付けが必要で2tのトラック2台に積み込みます。
さらにはその積み込んで片付けた備品は、その日に会社内に戻さないといけないということがありました。
細かい時間は忘れましたが、現地の会場の片付けをし2t車に積み込み会場を後にしたのが夜中の3時頃。
そこから会社に戻り備品の積み下ろしや社内への戻しを終えたのが朝の5時頃でした。
それから帰宅したのが朝の7時前頃。
こうして僕の入社前の過酷労働のイベント経験2日間が終わったのでした。
ちなみに、入社後にこのアルバイトで働いた分の給料を貰いましたが、2日間でわずか12,000円…
衝撃的な金額でしたね。w
やっぱりずれまくってる。。。
ブラック企業には文化祭ノリの部分が垣間見えるから錯覚する
このように完全に状況はブラック企業だったのですが、不覚にも僕はこう思ってしまいました。
確かに拘束時間は長いし、給料も安い。さらにはめちゃくちゃハードだし徹夜なんて日常茶飯事。
それは分かっているけど高校や大学の頃の文化祭のノリで、徹夜しながらもワーワー騒ぎながら仕事をしている環境は、しんどいけど楽しい一面なのかもしれない。
なんて。
社会人になってから人と人が希薄な関係になりやすい環境の中で、これだけワイワイやっている(錯覚になる)のもないよなーなんて思ってしまったのでした。
こういう文化祭ノリが体験できるのを、本当に楽しんで取り組める人もいるとは思いますが、僕の中では一種の催眠のような、実はただ錯覚に陥っているだけだと感じたんです。
徹夜はもちろんイヤだけど、誰かと一緒に作業しながら、例えば夜食も食べに行きつつ何とか本番を迎えてうまくいった!といった感じ。
100の内、99はしんどいけど残りの1の楽しいを求めてしまい、その気持ちから何だかんだと続けられてしまうんだと思います。
いつしか社内エースと呼ばれるようになっていた
今勤めている会社はどんな会社?と聞かれたら、休みもなければ時間もない。友達と遊ぶ時間も出来ず、たまに出来た休みは寝て過ごしてしまう。(と言っても、日付が変わった明け方の5時とかに帰ってきて、その日だけ休みという生活なので、休みの日に遊ぼうとすると寝ずに行くしかない状況だった)
そんな風になってしまう会社と答えます。
それでもつい最近までは、何も文句を言わず歯を食いしばって愚直に仕事だけこなしてきました。
すると、いつの間にか
- ちゃんと仕事しているのはNon太だけ。
- Non太が現場に出てくれるなら、あとはほっといても安心して任せられる。
- Non太君に仕事をお願いしたいのだが…
といったように信頼を得て実績を積み、いつの間にか会社内ではエースと呼ばれるようになりました。(ただ真面目にこなしただけで、全くもって自慢ではない…)
ブラック企業とは言いつつも、結局どんな状況でもブラック企業の体制であったとしても、ブラック企業と思うかどうかは自分の心の物差しで変わっていきます。
こうやって感覚のずれたブラック企業で働きつつ、僕の感覚も麻痺しながらエースと呼ばれるまでになり、会社にはいてもらわないと穴が大きくなりすぎるという存在にまでなりました。
エースと呼ばれるまでにしていた事(思い返せばそうだった編)
余談かもしれませんが、とりあえず実績を得るまでにがむしゃらになってやっていたこともまとめておきます。
見てみると当たり前のことをちゃんとやっていただけだと分かるはず。
朝の時間は守る
出勤時間は基本的に10:00からとゆっくりでも決まっていました。
イベント業界は夜中までやる傾向にあるので、出勤時間は遅い人が多いのですが、僕は夜型だけの人間にはなりたくなかったので、朝10:00出勤は守り抜きました。
(前日が朝の5時まで仕事した場合などは調整することもありました。)
お金には人一倍細かく取り決める
案件によっては経費の使い方がハンパなかったりします。
お金にルーズな人間と思われたくなかったので、自分の売り上げのイベントがあり、その時に昼食として買ったご飯代などは経費を使っても良いというルールがありました。
それでも僕は、会社側から正式に「使っていいよ」と認められるまで一切使いませんでした。
とにかくお金には細かく取り決め、対応してきました。
小ウソはつかない。やましい可能性になることはしない
確認していないのに、確認したと言って後でさらっと確認し、あたかもすでに確認してたかのようにふるまう。
こういうバカな小ウソはつかないようにしました。
もちろん、仕事を守るという点では会社の方針に沿って対応することはありましたが、あとで突っ込まれるかもしれない感情にビクビクする仕事の仕方はしませんでした。
期限は守り、自制心を保ち続ける
間違いなくこれが一番大切です。
例えばの話しをします。
明日の朝10時の提出期限の資料作成があったとします。
前日の夜、徹夜をしないと間に合わないという状況。徹夜をする覚悟で仕事をしていた時、社長にちょっとクラブに遊びに行こうと言われたとします。
その時、自分の同僚や後輩社員などは仕事を置いて出かける準備万端でいたりしました。
それがなぜかというと、クラブに社長と一緒に行けば、もれなくお酒飲み放題、女の子はべらかし放題のサービスが付いてくるからです。
「明日の朝までに提出しないといけない仕事があるんで…」と言ったとしても社長は、
「それは俺が明日に色々理由付けて期限延ばしたるから、とりあえず今日は一緒に来いよ~」と言ってきたりします。
例えばと言いながら完全に僕の話しですが、そんな時あなたならどうしますか?
心の中の天使は、遊びに行っちゃダメ!明日の期限は守らないと!と言っています。
でも、心の中の悪魔は、社長が直々に期限が延ばせるように言ってくれる、女の子もいっぱいでお酒も飲めてかなり豪華に遊べるんだし行こうぜ!仕事にも影響ないじゃん!と囁きます。
僕は、
といってあっさり断りました。ひと時の迷いもなく。
これが自制心の一つでもあります。
もしかすると付き合いは悪いと思われるかもしれません。面白くない奴だと思われてるかもしれません。
でもこういう事を簡単に言えた僕は、ぐんぐんと仕事における信頼は上昇していきました。
女関係のトラブルがゼロ
社会人になると出会いがないと嘆く人も多いと思います。
ちょっとした気のゆるみ、もしくはもとから狙って出会いを考えながら仕事をしている人もいるかもしれません。
たったの男が4人しかいない会社にも関わらず、女関係のネタがなかったのは僕だけでした。
社長を含め、同僚、後輩はスタッフに手を出そうとしたり、はたまた関係を持ってしまったり等々があり、一瞬で噂は駆け巡り信用をなくしてしまいました。
そうなることがわかっていた僕は、一切女関係がない接し方をし、男女ともに信用出来る人となることが出来ました。
真面目に向き合って本音で話が出来る人でいるよう心掛けた
本人がいない時には、「あいつはこうした方がいいからな」とは言えるのに、いざその本人が前に来ると何も言わない。
トラブルがあった時も本音で話し合うんじゃなくて、見て見ぬふりをして気付かないフリをして時が去るのを待つ人が多いですが、僕はとにかく本音で聞き、言い分を聞いてから状況を判断していました。
こんな風に面と向かって本音で話すことが出来ない人が非常に多い気がします。
ざっと見てこんな感じです。
ちゃんと見ても当たり前のことしか書かれてませんが、それを愚直にこなした結果、会社ではエースと呼ばれる程に信頼される人になっていました。
想像してほしいのは、この当たり前であるはずの上記のことを出来る人間が社内にいなくなるということです。
小規模のブラック企業は社長が飛び抜けたスーパースターか、社員エースがいるかどうかで存続が決まる
自分でいうのはおこがましいですが、僕の会社は完全に後者です。
何とか社内の規律を守れたのも、会社として社長が言っている事とやっていることが全く相反していても成り立っていたのは、社員エースがいたから。
誰かに何か厳しい事を言うのは全て自分。
働いてくれるスタッフの状況を見極めるのも僕でした。
その他の数人の社員はとにかく女の尻を追いかける事が前提。口では建前を言ってるけれど、全く持って説得力がありません。
数日や数ヶ月レベルなら、口がうまければごまかせますが、やはり1年、2年と一緒に携わるスタッフもいますので、やはりバレるんでしょうね。
僕が働いている会社の社長はスーパースターどころか残念な人でした。
少し事業がうまくいって小金持ちになったことで、うぬぼれバカな方向に行ってしまった人。
そしてエースと呼ばれた僕は来月、2015年9月に退職する事が決まりました。
スーパースターのいないブラック企業の未来は見えてる
今までに話してきた通りです。
ホントに素晴らしい会社であればたくさんの人材が相手から寄ってくるでしょう。
でもブラック企業の場合は仕事や環境に満足させることがそもそも不可能です。
そんな中でも企業として生き残っていくためには、トップダウンでぐいぐい社員を引っ張っていく社長がいる会社か、社長の代役のようにこなし、厳しい事も優しい事も実践できる社員エースがいるか、これで企業の存続は決まります。
社長はもはやスーパースターではありませんでしたし、エースの社員もいなくなる会社で、さらにそれがブラック企業となるともはや存続は出来ないだろうと思うわけです。
持って1年なんじゃないかと想像できるわけです。
でも、恐ろしいほどに状況が劣悪な状態になっていることを聞きました。
僕の予想は完全には当たりませんでしたが、遠からず近からずといったところでしょう。
ブラック企業の末路 / まとめ
ブラック企業なんて、所詮自分次第と思う所があります。
どれだけ拘束時間が長くても、どれだけ給料が安くても、自分が楽しい・満足と思えているなら、それはブラック企業に勤めているとは言いません。
むしろ幸せな事だと思います。だから結局自分次第なんです。
ただ感覚のずれたブラック企業だと、エースのいない会社には未来はないだろうなということです。
僕が勤めている会社がこの1年以内にどういった変遷を遂げていくか、じっくりと見極めたいと思います。
ブラック企業に関する価値観が、少しでも参考になれば幸いです。
従業員が1人辞めたくらいで会社は困りません。むしろ経費が浮いてラッキーだとしか思っていません。
エースだろうがトップスターだろうが関係ありません。1週間後には平常運転に戻っています。
残念。
わざわざ詳細は控えますが、僕がいた会社が残念なことになったことはお伝えしておきます。w
でも、ラッキーと思ってるかどうかはさておき、基本は何事もないままにいく方が多いでしょうね。w